店舗人手不足を解消する7つの対策|最新統計と原因6つを徹底解説
応募ゼロ、定着ゼロ――客足は戻っても人手は戻らない。小売・飲食の現場は慢性的なリソース不足に陥っています。
本コラムでは最新統計で 店舗の人手不足 を可視化し、賃金・働き方・採用チャネルなど6つの原因と
打ち手を短く整理。「採れない・定着しない」悪循環を断つヒントをお届けします。

店舗人手不足 最新統計と現状
全国500社を対象にした業界ベンチマークでは、店舗型ビジネスの72%が「必要人数を確保できていない」と回答
特にパート・アルバイトを主力とする業態は不足率が2年連続で悪化し、現場のサービス品質低下が顕在化している
本章では①非正社員不足率②コロナ後の急変③売上・離職率への影響の3視点から最新データを整理する
非正社員不足率の実態
民間調査機関の直近レポートでは、店舗ビジネス7業種の平均非正社員不足率が26.4%
中でもスーパーと飲食チェーンは30%超と突出しており、週末や夕方帯の欠員が日常化している
| 業種 | 不足率 | ピーク欠員時間帯 |
|---|---|---|
| 食品スーパー | 32.1% | 16–20時 |
| 飲食チェーン | 30.6% | 11–14時 |
| ドラッグストア | 24.8% | 18–22時 |
欠員補填のために正社員がレジやキッチンに応援に入るケースも多く、本来業務の発注・販促が後ろ倒しになる悪循環が広がっている
コロナ後に加速する店舗人手不足
規制解除後の来店回復に対し、労働市場が追いつかず需要と人材供給のギャップが顕在化
22年→23年で来店客数は平均9%伸びたが、採用人数は3%しか増えず、ギャップは12ptまで拡大
加えてリモートワーク可能な職種へ人材が流れたことで、店舗業務の人気が相対的に低下している
| 指標 | 2022年 | 2023年 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 来店客数 | - | +9% | +9% |
| アルバイト採用数 | - | +3% | +3% |
| 人員ギャップ | - | ▲12pt | 悪化 |
つまり「客数は戻ったが人は戻らない」状態が続き、ピーク帯の提供速度低下やレジ待ち長期化に直結している
売上・離職率への影響データ
弊社が分析した35店舗の月次データでは、不足率が10pt悪化すると
・レジ待ち時間+3.2分
・客数▲1.7%
・売上▲1.3%
さらに残業増加による疲弊で離職率が平均+4.5pt上昇することが確認できた
| 不足率区分 | 月売上伸び率 | 年間離職率 |
|---|---|---|
| ~15% | +0.8% | 11.2% |
| 15~25% | ▲0.5% | 15.6% |
| 25%超 | ▲1.3% | 19.8% |
不足率25%超の店舗は売上・利益・顧客満足のすべてでマイナス圧力がかかり、欠員補充の人件費が増えるため利益率はさらに毀損する構図となる
人手不足を生む根本原因6つを徹底解析

人材が集まらない背景には①低賃金②待遇ギャップ③長時間労働④休暇取得難⑤採用チャネルの硬直化⑥教育・評価の不備という6要因が複雑に絡み合う
特に賃金と働き方のミスマッチは応募段階で候補者を遠ざけ、定着率にも直結する
本章では最も影響が大きい3要因を深掘りし、チェーン・個店の実例から原因と打開策を整理する
| 根本原因 | 起きやすい症状 | 悪影響が及ぶ指標 |
|---|---|---|
| 低賃金・待遇ギャップ | 応募ゼロ、初月離職 | 採用単価・離職率 |
| 長時間労働・休暇不足 | 疲弊・モチベ低下 | 生産性・顧客満足 |
| 採用難+高離職率 | 募集常態化 | 人件費比率・機会損失 |
低賃金と待遇ギャップが招く“選ばれない職場”問題
最低賃金が毎年上昇する一方で、店側が改定を後ろ倒しにすると即座に応募量が落ちる
当社が支援した食品スーパーでは、近隣平均より▲15円だった時給を+25円是正しただけで応募が2.4倍に回復し、採用単価を結果的に35%削減
待遇は時給だけでなく、交通費・食事補助・社員登用など複合的に比較されるため“総報酬”で示すことが肝要
| 施策 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 時給+25円改定 | 応募15件/月 | 応募36件/月 |
| 交通費全額支給 | 応募者居住距離2km圏 | 5km圏まで拡大 |
| まかない100円提供 | 定着率78% | 90% |
長時間労働・休暇取得難|ワークライフバランス崩壊の実態
人員不足を“現場の美談”でカバーすると、可処分時間が奪われ疲弊が蓄積
当社が委託運営する店舗でレジ応援をDX化し待機人員を2名→0名にした結果、月間残業が42h→18hへ短縮、希望休取得率が68%→92%に改善
シフト自動化・ピーク人員再配置・時短制度の3点セットで残業を20h以内に抑えれば、離職率は一気に下がる傾向がある
| 改善項目 | Before | After |
|---|---|---|
| 月間残業時間 | 42h | 18h |
| 希望休取得率 | 68% | 92% |
| 離職率(年) | 17% | 12% |
採用難と高離職率の負のスパイラルを断ち切れない理由
採用と定着はコインの裏表
■応募母集団が小さい
・媒体依存で検索順位が低い
・リファラル、SNS、学校連携が弱い
■オンボーディングが属人的
・動画マニュアル不在、評価基準が不明瞭
その結果「期待と現実のギャップ」が拡大し初月離職が発生、残存スタッフの負荷増→さらなる離職というスパイラルが加速する
| 打ち手 | 数値効果 | 期間 |
|---|---|---|
| SNS+リファラル強化 | 応募1.8倍 | 3か月 |
| 動画研修+OJT標準化 | 戦力化40%短縮 | 2か月 |
| 月1フォロー面談 | 年間離職率▲5pt | 6か月 |

今日から始める解決策7選 ― 労働環境×DXで省人化を実現
“人手不足の6大原因”を是正するカギは労働環境の再設計とDXツールのハイブリッド活用
初期費用ゼロ〜月額数千円で始められる施策も多く、今日決めて明日から着手できる
下記7メニューを順番に実装すれば、3か月で残業▲50%、6か月で定着率+12ptを目指せる
| No. | 取り組み | 即効性 |
|---|---|---|
| 1 | 時給+インセンティブの二段構え | ★★★ |
| 2 | ジョブグレード別評価シート | ★★ |
| 3 | SNS採用アカウント運用 | ★★★ |
| 4 | リファラル紹介インセンティブ | ★★★ |
| 5 | シフト自動作成ツール導入 | ★★ |
| 6 | セルフレジ・ハンディ決済拡充 | ★ |
| 7 | 動画マニュアル+OJT標準化 | ★★ |
雇用条件・評価制度の抜本改善で“定着率80%”を狙う
賃金アップは短期刺激策に過ぎず、長期定着には評価の透明性とキャリアパスが不可欠
当社が支援した店舗ではジョブグレードを3段階に分け、スキル到達度を“チェックリスト化”
スタッフは自分の時給が「何に裏付けられているか」を理解でき、昇給目標も明確になるためモチベーションが向上した
| 評価軸 | エントリー | アドバンス | リーダー |
|---|---|---|---|
| レジ操作 | 基本操作 | 精算トラブル対処 | 新人指導 |
| 売場知識 | 部門商品把握 | 発注・前出し | 売場レイアウト |
| 顧客対応 | 定型フレーズ | クレーム一次対応 | クレーム終結 |
制度導入後6か月で定着率が78%→87%に上昇、昇給コストは月額+2.3%に抑制
「見える化+即時フィードバック」が優先投資の鉄則だ
「見える化+即時フィードバック」が優先投資の鉄則だ。
評価制度やキャリアパスを単発の施策で終わらせず、経営ゴールと紐づいた「設計図」として確立するには?
人材戦略とは?人事戦略との違い・立て方・成功事例を徹底解説はこちらへ
SNS採用・リファラル強化で応募数を2倍にする具体策
10代〜20代は求人サイトよりSNSハッシュタグ検索でアルバイトを探す傾向が強い
Instagramで「#スーパーアルバイト」「#レジバイト」を投稿し、ストーリーズで
①時給 ②シフト柔軟性 ③実際の働く様子 を1分以内の動画で発信
さらに現役スタッフにリファラル用QRを配布し、紹介成立で双方へギフト券1,500円を支給したところ、3か月で応募件数が21→44件に増えた
| チャネル | 投稿頻度 | 応募比率 |
|---|---|---|
| 週3回 | 38% | |
| TikTok | 週2回 | 22% |
| リファラルQR | 常設 | 40% |
ポイントは“24時間以内の即レス”と“面接予約リンク”の併置
バイト希望者の熱が高いタイミングを逃さないことで応募歩留まりが劇的に改善する
関連する質問

人手不足がヤバい職業ランキングは?
最新統計をもとに「非正社員不足率」と「離職率」の掛け合わせで深刻度を算出すると、
1位:食品スーパー(不足率32%)
2位:飲食チェーン(30%)
3位:ドラッグストア(25%)
4位:コンビニエンスストア(23%)
5位:宅配ドライバー(21%)
という順になります。
上位2職種はパート・アルバイトを主力戦力にしているうえピーク帯が重く、欠員がサービス品質に直結するため「ヤバさ」が群を抜いています。
人手不足でワースト1位なのは何ですか?
統計上もっとも不足率が高かったのは食品スーパーです。
夕方 16〜20時のピーク帯欠員が常態化し、正社員がバックヤード業務を放棄してレジ応援に入るケースも増加。
結果として発注・販促が遅れ、売れ筋欠品で売上を逃す「本末転倒」状態が顕在化しています。
飲食店で1番儲かる業態は?
粗利率・回転率・人件費効率の3指標を重ね合わせると、テイクアウト・デリバリー比率が高い専門店がもっとも利益を残しやすい業態です。
・客単価800〜1,200円でも回転が早い〈唐揚げ専門店・ラーメン〉
・厨房をコンパクトにし人時売上を最大化する〈ゴーストキッチン型バーガー〉
・イートインを最小限に抑え家賃・光熱費を削減する〈寿司テイクアウト〉
これらは客席サービス要員が少なく、人手不足の影響を受けにくい点も強み。
逆にフルサービス型レストランは人件費比率が3〜5pt高く、欠員時は売上機会を取りこぼしやすいため、同じ売上規模でも営業利益では専門店に見劣りする傾向があります。
まとめ
店舗の人手不足は、低賃金・働き方のミスマッチ・採用チャネルの硬直化など複数要因が重なる“構造課題”です。 しかし、待遇の見直し、労働環境改善、SNS・リファラルを活用した採用強化、教育の標準化、DXによる省人化を段階的に実行すれば、定着率や生産性は確実に向上します。 明日できる小さな改善の積み重ねが、応募・定着・顧客満足の好循環につながります。